多分、この町に住んでいる人で“地蔵盆”を知らない人は
いない。
今日、お昼に公園で都会から引っ越して来たMママに会った。
私:“地蔵盆行く?”
Mママ:“う〜ん。去年行ったんだけどさぁ。何も無いよね?”
そう。何もないんです。
小さな町の小さな祭り。
商店街の中、5ブロックぐらいが歩行者天国になり
夜店が出ているだけなのだ。
お寺の敷地の中でライブや出し物をやっているんだけど
町の人の目当ては、それではない。
太鼓や笛も、御神輿も何も無い祭り。
それが、地蔵盆なのです。
でも、この町で育った人は分かる。
この町で育った人にしか、分からないのかも。
地蔵盆には、ここの町中の人がやってくる。
子供の頃は、盆踊りと地蔵盆だけが唯一夜遅くまで
出歩ける日であり、どんなに心待ちにした事か。
夕飯を食べ、シャワーを浴び、シッカロールを付けてもらい
お母さんに浴衣を着せてもらう。
もう、ワクワクが止まらない。
近所の友達と連れ立って、夜の町を練り歩く。
夏休みだから、会っていない友達ともあっちこっちで会い
くじが当たっただの、当たらないだのくだらない話に花が咲く。
500円しか貰ってないから、何と何を食べ、何で遊ぶか。
本気で悩む。笑
今は、500円じゃあ綿菓子も買えないけどね。
中学の時は、浴衣と髪型に気合いが入る。
大好きなあいつに、会うからね。
女の子達と待ち合わせして、後で男子と合流。
日焼けした私服姿のあいつにドキドキしながら
みんなで過ごす夏の夜は、最高だと思っていたなぁ。
高校、大学、社会人...地蔵盆より楽しいお祭りに
遭遇。存在すら、忘れてました。笑
そして、今、あれから20数年間も経て、我が子を連れて
地蔵盆へ。
新しく出来た友達と、懐かしい顔ぶれに会いに。
普段、連絡する程の仲じゃない友達も必ずここで会う。
“元気にしとるん?”と近況を話し合う。
さよならを言い、3歩も歩かないうちにまた次の友達に
ぶつかる。
そりゃぁ、この5ブロックを往復するのに、2時間以上かかる訳だよね。
今年は高校、3年間付き合っていた彼氏に会いました。
某シティで会社を経営して手広くやってるって聞いていたけど、
去年の春、結婚したって聞いていたけど
地蔵盆を友達と歩く、奴の笑顔は変わっていませんでした。
数年前、某シティで会った時はビジネスマンの顔をして
堅っ苦しかったけど、今日は小学生の時の笑顔だったよ。
やっぱ、この町が好きなんやね。
地蔵盆には、子供の頃の笑顔になるよね。
視線がぶつかり、ぺこりと挨拶を交わしただけだったけど。
なんか、嬉しかった。
やっぱ、あんたもここの人間やね〜。
心は、ここに戻ってくるん。
地蔵盆は、そんな祭り。
うちの旦那も今年で、7年目。
先生で良かったかも。あらゆる所で“マイク先生〜!!”と
呼ばれ、立ち止まっては生徒と生徒の親御さんと立ち話。
地蔵盆の使い方、おうてんで〜。笑
何の催しもない地蔵盆、満喫しています。
えりさも、始めて水風船釣ったり、キャラクター人形釣りに
挑戦!!
かなり、楽しかったみたいで、風船釣りの屋台を
見つけるとダッシュ!
何度も何度もやりたいとせがまれ...
あぁ、なんでも100円だった私の時代とは
違って、我が子の笑顔の度にママの懐が寂しくなって行く〜。
綿菓子、千円ってどうゆうこと?!
お砂糖でしょ???!
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